模試の時間配分、これで完璧!本番で実力を出し切るための戦略

試験を受ける高校生

1. 試験開始直後:まずは問題全体を見渡すという戦略

試験が始まったら、すぐに問題を解き始めるのは少し待ってください。この最初の数分間は、ただの「待ち時間」ではありません。むしろ、今後の解答プロセスを大きく左右する重要な戦略時間です。具体的には、5分程度使って、大問構成や問題の種類、配点などをざっと確認しましょう。

この「問題全体を見渡す」という行為には、いくつかのメリットがあります。

まず、心の準備ができます。未知の問題にいきなり取り組むよりも、全体像を把握することで、心理的なプレッシャーを軽減できます。「この問題は難しいかもしれないけど、あの問題は確実に取れそうだ」といった見通しが立つだけで、落ち着いて試験に臨めます。焦りはミスの元です。この5分間は、自分を落ち着かせるための時間でもあるのです。

次に、効率的な解答計画を立てられます。闇雲に問題を解き始めるのではなく、どこから手をつけるべきか、どの問題に時間をかけるべきかを事前に判断できるのです。チェックすべき点は以下の通りです。

  • 各大問の配点: 配点の高い大問は、多少時間がかかってもじっくり取り組む価値があります。一方で、配点の低い大問は、時間をかけすぎないように注意が必要です。配点の高低を把握することで、時間と労力をどの問題にどれだけ配分すべきかが見えてきます。
  • 問題の難易度: 一見して解きやすそうな問題(基本的な計算問題、一問一答形式の問題など)や、時間がかかりそうな問題(長文読解、複雑な記述問題など)を把握します。これにより、まず確実に得点できる問題から手をつける、という戦略を立てられます。
  • 自分の得意・不得意: 自分が得意な分野の問題から解き始めるか、それとも苦手な分野を後回しにするかを決めます。得意な問題から解き始めることで、リズムを作り、勢いをつけることができます。

この5分間を有効活用することで、その後の解き方の計画が明確になり、無駄な時間を大幅に削減できます。この時間は、**後の解答時間を節約するための「投資」**だと考えてください。

 

 

2. 解き始める際の鉄則:簡単な問題から手をつける

問題全体を見渡して計画を立てたら、いよいよ解き始めます。この時の鉄則は「簡単な問題から手をつける」ことです。これは模試だけでなく、あらゆる試験において非常に効果的な戦略です。

なぜなら、簡単な問題を先に解くことで、確実に得点を積み重ねられるからです。難しい問題に時間をかけすぎて、簡単な問題を取りこぼしてしまうのは非常にもったいないことです。簡単な問題は、正答率も高く、配点もそれなりにある場合が多いです。これらの問題を確実に解くことで、合格ラインをクリアするための基礎点を確保できます。

また、簡単な問題をサクサクと解いていくことで、精神的な余裕が生まれます。人間は、「できた」という成功体験を重ねることで自信が湧いてくるものです。試験というプレッシャーのかかる状況で、スムーズに問題を解き進められることは、大きな自信につながります。この自信が、その後の難しい問題に取り組む際の集中力や思考力を高めてくれるのです。

具体的な進め方は以下の通りです。

  • 数学や理科: 計算問題や一問一答形式の問題、公式をそのまま適用するだけで解ける問題など、すぐに答えが出そうなものから解きましょう。証明問題や応用問題、複雑なグラフを読み取る問題などは後回しにします。
  • 国語や社会: 漢字の書き取り、語句の選択問題、歴史的な出来事の年代を問う問題など、知識を問う問題から解きましょう。長文読解や記述問題は、時間がかかるため、後回しにしても大丈夫です。
  • 英語: 文法問題、単語の意味を問う問題など、比較的短時間で解答できる問題から手をつけるのが良いでしょう。長文読解は、配点が高い一方で、時間がかかることが多いため、ある程度の時間を確保してから取り組む計画を立てておきましょう。

難しい問題は、いったん飛ばして後回しにしても大丈夫です。後で時間が余ったら戻ってくればいいのです。この「飛ばす勇気」が、結果的に試験全体のパフォーマンスを向上させます。

3. 時間がきたら潔く次へ!「見切り」も重要

「あと少しで解けそうなのに…」「もう少し考えれば答えが出そう…」と、一つの問題に固執してしまうことはありませんか?

しかし、本番では一つの問題に時間をかけすぎると、他の問題に手が回らなくなってしまいます。一つの問題に〇分以上かけたら、たとえ解けていなくても、潔く次の問題に移る勇気も必要です。この「見切り」は、時間配分戦略において最も重要なスキルの一つと言えるでしょう。

なぜなら、試験は満点を取るためのものではなく、合格点を取るためのものだからです。一つの問題に10分かけても、正解できるかどうかは不確実です。それよりも、その10分を他の簡単な問題に回せば、確実に複数の問題で得点できる可能性があります。

見切りの目安は、各大問の目標時間や、自分の感覚で「これは時間がかかりすぎるな」と感じた時です。

  • 目標時間を設定する: あらかじめ各大問に費やす時間を決めておきましょう。例えば、「大問1は10分、大問2は15分…」といった具体的な目標時間を設定しておけば、それを超えた時点で「見切り」のサインだと判断できます。
  • 「沼」にハマらない: 解法が全く思いつかない、計算が複雑すぎて途中で詰まってしまう、といった「沼」にハマったと感じたら、すぐにその問題から離れましょう。いくら考えても解答にたどり着けない問題に時間を費やすのは非効率です。

いったん飛ばして最後まで問題を解き終えた後、もし時間が余ったら、もう一度戻ってじっくり考えてみましょう。最初に解けなかった問題も、他の問題を解いている間に頭が整理され、解法がひらめくことがあります。この「見切り→戻る」のプロセスを使いこなすことで、限られた時間の中で最大限の得点を目指せるのです。

4. 理想の時間配分を見つけるための練習法

理想の時間配分は、科目や個人の得意不得意、そして志望校の出題傾向によって異なります。自分にとって最適な配分を見つけるためには、模試や過去問を解く際に、常に時間を意識して取り組むことが重要です。

ここでは、具体的な練習方法をいくつか紹介します。

  • ストップウォッチを活用する: 模試や演習問題を解く際、ストップウォッチを使って各大問にかかった時間を計ってみましょう。どの問題に時間がかかっているのかが可視化できます。このデータを蓄積していくことで、自分の時間配分の傾向を客観的に把握できます。
  • 目標時間を設定する: 模試や過去問を解く前に、「大問1は10分、大問2は15分…」というように、あらかじめ各大問に費やす時間を決めてから解き始めましょう。時間を意識しながら解くことで、本番での時間感覚を養えます。
  • 模試の振り返りを行う: 模試が終わった後、点数や正誤だけでなく、時間配分がうまくいったか、いかなかったかを必ず振り返りましょう。「あの問題に時間をかけすぎたせいで、最後の簡単な問題に手が回らなかった」といった反省点を洗い出し、次回に活かすことが重要です。
  • 過去問を分析する: 志望校の過去問を解く際には、各大問の配点や出題傾向、自分がどのくらい時間をかけるべきかを事前に分析しておきましょう。例えば、長文読解の配点が高い大学であれば、その問題に時間を多めに割く計画を立てる必要があります。

本番は、練習の通りにしか力を発揮できません。 模試をただの「実力測定」と捉えるのではなく、「時間配分の練習の場」と捉え、戦略的に取り組むことで、本番で最高のパフォーマンスを発揮できるはずです。

 

 

5. 科目別時間配分戦略の具体例

ここからは、より実践的な時間配分戦略を科目別に見ていきましょう。あくまで一例ですが、自分の戦略を立てる上での参考にしてください。

数学

数学は、問題の難易度が幅広く、時間がかかりやすい科目です。

  • 大問1:基本問題(15分)
    • 計算問題、小問集合など、確実に解ける問題を迅速に処理します。ここで時間をかけすぎないことが重要です。目標は1問あたり2~3分。
  • 大問2, 3:標準問題(各20分)
    • 応用問題や証明問題など、じっくり考える必要がある問題です。ここで多くの時間を費やしますが、解法が思いつかない場合は見切りをつける勇気が必要です。
  • 大問4, 5:発展問題(各10分)
    • 難易度の高い問題。全て解こうとするのではなく、部分点を取りに行く意識が大切です。最初に解ける部分だけでも手をつけ、時間がなければ潔く次へ行きましょう。
  • 残り時間(5分)
    • 見直しの時間です。計算ミスがないか、飛ばした問題に戻れるかを確認します。

国語

国語は、現代文、古文、漢文のバランスが重要です。

  • 現代文(30分)
    • 長文読解(20分): 設問を先に読み、何が問われているかを把握してから本文を読み始めます。
    • 漢字・語句(5分): 知識問題は時間をかけずに即答します。
    • 見直し(5分): 選択肢をもう一度確認し、誤読がないかをチェックします。
  • 古文・漢文(各20分)
    • 読解(10~15分): 現代語訳を意識しながら読み進めます。
    • 設問(5~10分): 文法や解釈、内容把握を問う設問に解答します。

英語

英語は、リーディングとライティングのバランスが重要です。

  • 文法・語彙問題(15分)
    • 短時間で解ける問題なので、迅速に処理します。分からない問題はすぐに飛ばし、後で戻るようにしましょう。
  • 長文読解問題(30分)
    • 設問の確認(5分): 設問を先に読んで、本文のどこに注目すべきかを把握します。
    • 本文の読解(15分): 速読と精読を使い分けながら読み進めます。
    • 解答(10分): 選択肢を丁寧に吟味し、根拠を持って解答します。
  • リスニング(20分)
    • 問題が始まる前に、設問をできるだけ多く読み、何が問われるかを予測しておきます。
  • 英作文(15分)
    • 構成を考え、文法ミスがないように丁寧に書きます。

6. まとめ:模試を最大限に活用するための心構え

模試は、単なる実力測定の場ではありません。それは、本番で最高のパフォーマンスを発揮するための戦略的なトレーニングの場です。今回紹介した時間配分の戦略を意識して模試に取り組むことで、あなたは以下のような能力を身につけられます。

  • 時間管理能力: 限られた時間の中で、効率的に問題を解き進める能力。
  • 自己分析能力: 自分がどの問題に時間がかかりやすいか、どの問題が得意かを客観的に把握する能力。
  • 「見切り」の決断力: 一つの問題に固執せず、次に進む勇気と決断力。
  • 精神的な安定性: 時間に追われるプレッシャーの中でも、落ち着いて解答する能力。

これらの能力は、入試本番だけでなく、今後の学習や人生においても必ず役に立ちます。模試の結果に一喜一憂するだけでなく、そのプロセスを振り返り、次に活かすことが何よりも重要です。

次回の模試では、ぜひこの時間配分戦略を試してみてください。そして、模試が終わった後には、**「時間配分がうまくいった点」と「改善すべき点」**をノートに書き出して、次回の模試に活かしましょう。この繰り返しが、あなたの合格への道を確実に拓いてくれるはずです。

 

 

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